起→モンド21杯→寝

【今節の4166】
G3新鋭リーグに参戦。

このリーグ戦で新鋭戦は卒業、残りは来年1月の王座だけとなる。
前回の鳴門で優勝したことで「リーグ戦未勝利のまま卒業」という事態は免れた。
ただ今節は、その時よりもう一段高いハードルである
「優勝で賞金王シリーズ総理杯の出場権獲得」というプレッシャーが吉田拡を待ち受ける。
実力的には何も心配していないが、何せ彼は此処一番に恐ろしく弱いのでね。

が、今節は吉田拡に追い風が吹く。
否、追い風という表現は全くもって正確な表現ではないか。
突風のような勢いの流れが吉田拡の背中を押し、他の有力選手には向かい風となって立ちはだかる。

初日6R、最悪の水面状況の中、4193郷原がスタートを逸した上に転覆。
負傷により帰郷したため、ドリーム戦は彼を除く5艇立てで行われることとなった。
ドリーム1号艇だった吉田拡は
「5艇立てはスタート時の艇間隔が広いのでイン不利」のセオリーに逆らえず、差されて2着。
だが特に大きく取りこぼしたわけでもないので、吉田拡のダメージは無いに等しい。
むしろ、このレースを勝ち上がった4163山崎裕に災難が降りかかった。

4日目7R、得点率1位の山崎裕と2位の吉田拡が今節3回目の直接対決。此処までは山崎裕の2勝。
彼は今年いきなりB1からA1に飛び級し、急激に力をつけているわけだが、広島支部にはよくあることだ。
3号艇山崎裕が2コース。4号艇吉田拡が3コース。
インは地元で王座勝率勝負駆け中の6号艇4156浜野。進入は当然縺れて深くなる。
そして全艇早いスタート。ネット中継を見ている僕でも、これが正常なスリットには見えなかった。
「下手したら全員F切ったのではないか」と思ったが、実際は山崎裕1人がスリットオーバー。
恵まれの形で吉田拡が1着。また優勝候補が1人脱落した。
山崎裕は今節云々だけじゃなく、このF休みで王座にも出られない。残念としか言いようがない。

5日目10R、予選3位で準優1号艇を手にした、吉田拡と同期同郷同級生の4172森定。
彼もまた少し前までの吉田拡と同じく、新鋭リーグでの優勝が無い。
先月の地元G1で優出しており、今節もリズムは良い状態をキープしているようだ。
4日目12Rではインの吉田拡を差し切っているので、優出してくれば相当手強い感じ。
だったのだが…ツケマイにきた4292麻生にやや気を取られる間に、4287今井に差し込まれる。
おまけに麻生にも捲り切られる。必死に追い上げるも3着まで。
森定もやはり善戦マンなのか。何故岡山支部はこう勝負弱いのが多いんだ(´・ω・`)

さて、此処まで吉田拡の対抗馬が消えたことばかり書いてきたが、
肝心の吉田拡自身は如何なったかというと、1212212で予選1位通過を果たしている。
そりゃ郷原山崎裕が消えたらこのくらいは当然かもしれないが、
大して出てもないモーターでオール二連対というのは、十分褒められる内容だ。
ただ、イン戦が決まっていない。流れて差されてる。もうちょっと消波装置と間隔空けて陣取ったらいいのに。

準優12R、1号艇だからイン逃げあるのみだが、2号艇は浜野なので油断はできない。
浜野は今節かなりの内志向。
予選6位の浜野(今期A2来期A2)と7位の4361堀本(今期B1来期A2)は、
「得点率及び着順が同じ場合は、級別を優先する」という津競艇ルールのために
浜野2号艇/堀本3号艇となっている。最高タイムなら堀本の方が上なのに、何か妙な感じだ。
2号艇なら前付けイン強奪までありそうに思ったが、すんなり2コースで落ち着いてくれた。
そのまま枠なりでスタート。
スタートライン直前で大きく体を起こす吉田拡。そりゃ今F行ったら阿呆だから自重する罠。
それでも2番手発進で1マークを先取り。でも浜野の差しが届いている。
「やっぱり差されるのか」と一瞬悲観的になるも、BSで吉田拡が伸び返し、2マークで決着をつけた。
おお、これで2戦連続(今年3回目)の新鋭リーグ優勝戦1号艇だ。
これはもしかしたらもしかするかもわからんね。

しかし、優勝戦インタビューで2号艇4174赤坂がさらりと言ってのけた。

「吉田君はインが下手です。流れるから差せます」

いやああああああぁああぁぁぁあああぁぁ_| ̄|○
何という同期の観察眼。伊達に3回SGに出ていないな。全部MB記念の地元推薦枠だけど。
とはいえ、実績上位なのは赤坂の方だ。侮るわけにはいかない。
まして赤坂は普通に差しが上手い選手だ。
吉田拡のモーターが中堅でしかない以上、1マークで流れたら予選のように差されるのは確実。
意地でもスタート決めて逃げ切るしかない。

勝戦
地元の6号艇安達が1つ動いて123/465。
安達のモーターは出ているから怖いのだが、4カドでなく5コースなら何とか凌げるはず。
そしてスタート…って、吉田拡の握るタイミングが明らかに遅い(´・ω・`)
これはドカ凹…むほどではなかったものの、.23は一番遅いSTだ。これはまずい。
逃げる吉田拡。差し込めない赤坂。3コースから捲り差す4287今井。
今井が内/吉田拡が外で、BSはほぼ並走状態。わずかに吉田拡が前だが、絞れるほどでもなく2マークへ。
内から内へと回る今井が有利の流れだったが、冷静に外を回って流れなかった吉田拡が先行した。
そして少しずつだが艇間を広げていく。「このまま行ってくれ」と願う。
最後まで何が起こるかわからないので気は抜けなかったが、結局誰も追うことができず先頭でゴール。
今年17回目(通算48回目)の優出を、今年6回目(通算8回目)の優勝で見事に飾った。

遂にやってくれた。
この優勝で獲得賞金3269万円。賞金王シリーズでSGデビューが決定した。
そして優勝回数も6回。余程のことがない限り来年の総理杯で2度目のSG出場となるであろう。
このまま大村企業杯の3日目までFLなしで乗り切ると、新鋭王座も出場決定となる。
これらのSG/特別G1に加え、来年の尼崎G1周年や徳山G1中国地区選で一定の活躍ができれば
笹川賞への投票も見込めるだろう。丸亀の主催者推薦でMB記念にも出られるかもしれない。
前述のG1で優出できれば、今年惜しくも逃したオーシャンカップの出場だってあり得る。
もっと言うと、賞金王シリーズ総理杯で優出すれば、グラチャンにだって出られるし、
今のままの勝率(7.50近辺)を記念回りでも維持することができたら
ダービーにだって出場が叶うかもしれない。もっとも、これは難易度が相当高いが。
当然、これだけSGに出られれば、来年のチャレンジカップ賞金王シリーズなどは苦もなく出られるだろう。
つまり、今までSG出場0の若者が、今回の優勝をきっかけに
一気にSG常連選手に成長することができる可能性が開けたというわけだ。
これって凄いことではないだろうか。

デビュー間もない頃から、地元の選手でもないのに、吉田拡を応援し続けてきて良かったと心から思う。
当時の魅力だった「スタート一撃」は今は少し形を潜めた感があるが、その分スピードと技術をつけている。
あとは整備力とイン戦と2コース差しさえ上手くなれば、将来は賞金王の12人にも手が届くかもしれない。
現時点ではまだまだ荒削りな選手だという評価だが、彼はまだまだ伸び代があると思う。
その伸び代に底が見えないので、僕は吉田拡を応援しているのが楽しいわけだ。

SGデビューが僕の地元の住之江というのも何かの縁なので、初日から最終日まで本場で観戦させてもらうよ。
6着でもいい。転覆したって構わない。
とにかく萎縮することなく、自分の良さを僕と僕以外の客にアピールしてほしい。
その結果として水神祭がついてくれば最高だと思う。

でも、まずは次節の大村G3企業杯だな。
優出目標で頑張ってほしい。そして、3日目までは絶対に無事故で過ごすべし。
自分で「新鋭王座を大きな祭にしたい」と言った以上、F休みで出場不可なんて馬鹿馬鹿しいからね。
今日は本当におめでとう。よく頑張った(`・ω・´)